1998年のアカデミー賞で数多くの賞を獲得した「タイタニック」。
しかしディカプリオはノミネートすらされませんでした。
取れなっったのはなぜ?
同時期の映画がスゴすぎたから?
などの疑問を感じた方は多いですよね。
他にもアカデミー賞にはいろいろなハプニングや逸話があります。
今回は改めてその真相に迫りたいと思います。
- タイタニックでディカプリオがアカデミー賞取れなかったのはなぜ?
- 同時期に出ていた映画がスゴすぎた!
この2つのテーマでまとめました!
「タイタニック」ディカプリオがアカデミー賞を取れなかったのはなぜ?
世界中で記録的な大ヒットとなった本作。
その要因の1つは何と言ってもジャック役のディカプリオの魅力でしょう。
日本でもレオ様ブームが巻き起こりましたね!
それにもかかわらず、アカデミー賞では完全スルー。
これには何か理由があったのでしょうか。
ネット上の意見を参考に、その理由をまとめてみました。
アイドル俳優だったから
今年(2024年)に50歳になるディカプリオ。
貫禄のある体格と渋い髭がすっかり定着しています。
しかし本作が公開された1997年当時はまだ23歳。
前作の「ロミオ+ジュリエット」でブレイクしたアイドル俳優でした。
キャー!若い!
当時米国ティーン雑誌はディカプリオ一色でした。
アカデミー賞は、映画業界の専門家で構成されている「映画芸術科学アカデミー」の会員の投票によって決まります。
万人受けする俳優よりも専門家受けする俳優が選ばれる傾向にあります。
そのため、どんなに演技が上手くてもアイドル俳優が受賞することは難しいと言われています。
アイドル俳優と位置付けられていた彼がオスカーを取るのはかなり難しかったのでしょうね。
ちなみに1990年代の主演男優賞はこちら。
1990年:ジェレミー・アイアンズ
1991年:アンソニー・ホプキンス
1992年:アル・パチーノ
1993年:トム・ハンクス
1994年:トム・ハンクス
1995年:ニコラス・ケイジ
1996年:ジェフリー・ラッシュ
1997年:ジャック・ニコルソン
1998年:ロベルト・ベニーニ
1999年:ケヴィン・スペイシー
やはりアイドル的な俳優は見当たりませんね。
ちなみにあのトム・クルーズはなんとアカデミー賞無冠!
映画の神のような俳優ですが、アカデミー賞からは完全無視されているのですね…。
さらにディカプリオとほぼ同期のブラットピットもなかなか受賞にめぐまれず、
2019年に悲願のアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。
若すぎると判断されたから
アカデミー賞はそれまでの実績を重視すると言われています。
「映画業界に貢献してきた人に贈る賞」という意味合いが強い印象を受けます。
そのため、ある程度の年齢を超えた人が受賞する傾向にあります。
主演男優賞の史上最年少記録は、エイドリアン・ブロディの29歳。
当時のディカプリオは23歳でしたので難しかったのかもしれませんね。
もちろん何か光るものがあれば、若くても選ばれることはあるでしょう。
しかし、そこまでのものは当時の彼にはなかったのでしょうね。
また、タイタニックで彼のスター性は誰もが認めるものとなりました。
そのためアカデミー会員側は、
彼は今後さらにスゴい役を演じるはず。
その時にノミネートは取っておこう
という期待を込めたのかもしれません。
18年後に悲願の受賞!
しかしこの後、難しい役に挑みながらもなかなか受賞には至らないという不運が続きました。
そしてタイタニックから18年後の2015年に「レヴェナント: 蘇えりし者」でついに主演男優賞を獲得!
ハリウッドへの功績がやっと認められたのでしょう。
アカデミー賞向きの難役ではなかったから
アカデミーは、難役を好む傾向にあります。
こんな役を演じれるのはこの人しかいない!
よくこんな難役に挑戦した!
と言われるような役のほうが、ノミネートされやすいです。
専門家が選ぶ賞なので、どうしてもそうなるのでしょうね…。
普通の役でも良い気がしますが。
そのため、ジャックのような好青年役で受賞するのは、かなりハードルが高いと言えます。
この役を演じた時点で、賞レースからは外れていたのかもしれませんね。
難役でノミネートされた実績あり
実は彼は19歳の時に「ギルバート・グレイプ」でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。
アイドル俳優としてブレイクする少し前の作品です。
知的障害を抱えた青年というな難役でした。
もともと演技派だった彼はこの役を演じるにあたり、
・マウスピースをつけ別人のような顔になり演じる
・障害者施設で数日間生活して演技の参考にする
・お風呂嫌いの役なので、実際に何日もお風呂に入らず撮影に挑む
このような役作りを決行。
その結果19歳という若さで素晴らしい演技を披露し、批評家たちから大絶賛を受けました。
そしてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたのです。
この演技派路線でキャリアを重ねたら、アイドル俳優にならなかったのかもしれませんね。
でもそれだとロミジュリもタイタニックも無かったと思うと複雑!
俳優メインの映画ではなかったから
本作は当時の最新技術で、タイタニック号を見事にスクリーンによみがえらせました。
大迫力の映像は、今観ても圧倒されます。
さらに、セリーヌディオンの主題歌をはじめとする音楽も素晴らしかったですね。
氷山衝突からの大混乱の中での脱出劇のアクションシーンにも引き込まれました。
このように本作は、
- 映像
- 音楽
- アクション
このような要素で魅せる作品だったため、俳優の存在はかすんでしまったのかもしれません。
もちろん豪華俳優陣は素晴らしい演技を見せていました。
しかし彼らの演技は良い意味で映画の一部という感じで、俳優1人1人の存在は大きくなかったように思います。
このような俳優メインではない作品の場合は、アカデミー賞の俳優部門は取りにくいのでしょうね。
超大作すぎて、彼の熱演もかすんでしまったのかもしれません。
「ベン・ハー」を超えさせたくなかったから
アカデミー賞で11部門を受賞した本作。
このとき話題になったのが、「ベン・ハー」(1959年)とノミネート数が歴代最多タイになったこと。
もしあと1つ受賞が増えたらあの「ベン・ハー」を抜いてしまうため、俳優部門は無しにしたのかもしれません。
過去の功労者を称える節目の回だった
この1998年に行われたアカデミー賞は70回の節目の回。
ハリウッドで活躍してきた功労者を称える雰囲気が強い授賞式でした。
主演男優賞にノミネートされた5人は、マット・デイモン以外は60歳前後。
過去の実績を重視されたことがうかがえますね。
そんな歴史的な回で、ディカプリオの主演男優ノミネートを追加したら「ベン・ハー」を超えてしまう。
だから、とりあえず主演男優は無しにした可能性があります。
ちなみに、この11ノミネートの記録はいまだ塗り替えられていません!
なにかジンクスでもあるのでしょうか…
同時期に出ていた映画がスゴすぎた!
ディカプリオがアカデミー賞を逃した理由は、同時期の映画の影響もありました。
スゴい映画が出ていたため、ノミネートさえされなかったという意見もあります。
- ロバート・デュヴァル 「The Apostle」(66歳)
- ダスティン・ホフマン 「ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ」(61歳)
- ジャック・ニコルソン「恋愛小説家」(60歳)
- ピーター・フォンダ 「木洩れ日の中で」(58歳)
- マット・デイモン「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(28歳)
グッドウィルハンティグ
その映画とはこちらの作品。
そして主演のマット・デイモンが主演男優賞にノミネートされています。
アカデミー賞の俳優部門は若い層は取れない傾向にありますが、ノミネートの時点では若い俳優枠があることが多いです。
その枠を見事おさえたのがマットでした。
ディカプリオ同様にハリウッドを代表する名優になりましたが、当時は無名の若手俳優でした。
ちなみに当時マットはディカプリオ似としても知られていました。
系統が似た顔ですよね。
難しい役を演じて見事ノミネート
マットが演じた役は、
- 天才的な頭脳を持つ青年
- 幼少期の虐待されたトラウマがある
- それから逃れられずに苦悩する
- 苦しみながらも賢明に前に進もうとする
このように、まさにアカデミー賞受けしそうな難役でした。
そして彼の更生を助ける心理学者を演じたロビン・ウィリアムズの演技がまた最高!!
マットのみずみずしい演技は素晴らしかったですが、彼の演技を引き出したのはロビンだと思います。
さらにこの作品は、マットが親友で俳優のベン・アフレックと共同で脚本を書いています。
長年温めてきた脚本だったそうです。
このような背景もアカデミー会員の心を動かしたのでしょう。
だから主演男優ノミネートの若い世代の枠は、ディカプリオではなくマットに決まったのかもしれません。
まとめ
今回はタイタニックでディカプリオがアカデミー賞を逃した理由や、同期の映画について調べてみました。
ディカプリオは様々な要因が重なったことでアカデミー賞を取れなかったことがわかりました。
特に同時期公開のマット・デイモン主演「グッドウィルハンティング」の勢いに負けたことは大きな理由だったようです。